こんにちは!ガラクタやのひとみです
商店街のどんづまりで、小さな雑貨屋さんを経営しています
内部から見た商店街消滅のリアル
前回①では【物理的に商店街が消滅していること】を書いてきました↓
今回は【内部から無くなっていく商店街】を書こうと思います
商店街という「システム」が今の時代に引き継がれていかないのはなぜか
ずっと商店街の中でお店をやってきて、見えてきたことがあります
街づくりに興味がある、活性化事業に興味のある若い方に読んでみて欲しいです
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商店会という組合は何をしてるのか
商店街には「商店会」といういわゆる「組合」が存在します
私は歴史上でいう「商人ギルド」のようなものだと理解していて
要は「同じ商人同士、お互いの営業を円滑にするために、そして地域の自治のために動く団体」です
しかしながら普通に生活をしている人から見ると
「商店街って、たまにくじ引きとか、季節のイベントを主催して集まってるだけでしょ?」
みたいなイメージなんだと思います
その「お祭り」なんかもそうなんですが
商店会は各自治体から補助金や、会員からの会費を資金源に活動しています
うちのお店の所属する商店会でいうと、街の街灯の設置や、季節によってその街灯の下に四季を感じさせる装飾品をつけたりして、街の景観作りもしています
イベントや、街の装飾以外には「普段」何をしてるかというと‥
別に何もしてないです( ^ω^ )
会計係や、それぞれの係に任命された方は年間の活動に向けてコツコツ活動することもありますが、普通の会員は特に毎日活動することはありません
今後の商店会をよくするための親睦会(飲み会)があったりするけど
基本的には会員皆が【自分の商売をやってる個人事業主】なので
自分の商売だけでも忙しい毎日を過ごしています
商店会の古くからのシステム
各市町村には商工会という団体があって
各所の商店会を束ねています
商工会>商店会
商店会は、商工会から毎年補助金を受給して各種大きなイベントを開催したりしています
商店会の方に話を戻します
商店会の中には「会長」「副会長」「会計」「厚生委員」があったりして
会社組織と同じような役職があります
会社と唯一違うことは
役員、会員それぞれが自営業者であり、商店会の業務による「賃金が発生しない」こと
商店会の活動は、自分の事業とは別の「課外活動」であること
会への参加不参加、また活動への参加不参加も「任意である」こと
などがあります
「任意である」この曖昧なシステムのまま
それでも今まで長い間このシステムが続いてきたのは
それぞれが自宅で(昔は自宅兼店舗、という形が圧倒的に多かった)事業を立ち上げ、家族経営してきた歴史があるからです
お婆ちゃんがお店番をしている間に、お父さんが商店会の活動に顔を出す
家族ぐるみのお付き合いがあるからこそ、相互扶助の気持ちも生まれてくる
ずっとそこで暮らしていくという生活基盤の意識があるから、お互い支え合って維持できた団体が「商店会」だったのだと思います
そのシステムのまま変わることない商店会ですが
物理的に商店街の中はどんどん変わってきました
持ち家で商売をする人たちは居なくなり、今やほとんどが賃貸物件を借りて商売をしています
店主も従業員も、自宅からお店に通勤し、営業が終わったら遠くの自宅まで帰る
事業の方向性によっては移転をし、ずっとその場所に留まることを考えている人は少ない
そもそもお店の数は少なくなり、高齢化もあいまって商店会の会員は減る一方です
システムは古いまま
中身の人間たちやその周りの環境はすごい速さで変わっているわけです
うまく回るわけないよね‥??
参加が任意であることから、商店会に参加しない店舗も多くなってきました
新店のオーナーが商店会に入るメリットを感じないからです
自分の店を維持するだけでも、お金も時間も人も足りない中で
会費を出し、人手を出さなきゃいけないんですから
新しくお店を出す人たちにはかなりの無理難題です
一般の住人たちの組合である「町会」も、同じ理由で存続が難しくなっています
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商店会の古くからのシステム②
毎度の飲み会に若い人が顔を出さない
意味のない飲み会よりも家族との時間を大事にする
会社組織も時代の流れを受けて、飲み会の開催の仕方さえ変わってきましたよね
それってすごく良い流れだと私は思います
親睦なんて名目だけで中身のないつまらない飲み会なんて、なくてもいい
商店会の親睦会のための資金(つまり飲み代)は、会員が毎月支払っている会費の中から支払われます
集まるのは、昔から会員である年長者ばかりで、内容もあるんだか無いんだか
年長者会員がとても楽しめる飲み会です
若い人は自営業の多忙さに加え、遠方からの通勤や家族との時間確保のために出席しない、できない
年長者の飲み会を、出席しない若い人たちが支えています
年金みたいな話ですね〜
商店会と補助金、行政の関係
私がこんなことを書いていると
「お前ネット上にばっか書いてないで、本人たちの前で言えよ」
というお声も出てきそうです
(_ _).。o○(もう言ってる)
商店会には「今年度の会計報告会」も「総会」もあり
形だけは「一般会員の意見を聞く機会」が用意されています
会員たちは毎月会費を払っているわけですから、その使い道に意見することは当たり前ですし、年長会員からは「若い人も正直に色々言ってくれよ〜」と声をかけられることもあります
若い会員たちは、商工会からの多額の補助金を使って、あまり中身のない町おこし活動をするのは意味もない、そろそろやめるべきだと主張しています
補助金って、私たちの払ってる税金ですから
そのお金、もっと教育や福祉に使った方がいいじゃない
でも結局意見をしたところで
若僧よ、空気読んでくれよ、無理だよ無理( ^ω^ )という空気が会場中を包みます
そして私たちの意見が前に進んだことはありません
商店会と、その上の組織である商工会
長年にわたる大きなお金や権力の流れが存在します
そんな流れを断ち切ることはもちろんタブーなようなのです
こんな「空気」を数人の若い会員が変えることはおそらくこの先数年単位では不可能でしょう
そもそも若いオーナーたちは自分のお店の経営だけで必死、そんなことにエネルギーを割く時間も余裕もないのです
そんな中、こんな事件も発覚しました【西荻窪商店会、補助金を不正受給か】
関西でも
これはどこの商店会もギクリとするような事案のはずです
商店会が馴れ合いで受け取る補助金、中身がないのであれば、もっと使うべきところが地域にはあるはずです
商店会の問題、闇は深く、補助金の使い方=地方行政の問題にも繋がっちゃうのです
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商店街が消滅しない方法は無いのか?
一つの意見として「商店会の作業諸々を外部委託する」という意見がありました
会員人数の不足や運営人員の不足は、他から人を雇う
これからの運営方針を決めて実際に改革を行うのであれば、プロの団体に委託する
など
長いこと続いてきた商工会との忖度の歴史や空気をぶった斬れるのは外部の人間かもしれない、というのは一理あります
本当に良い方向へ向かうためのお金であれば、若い会員もしっかりと会費を納めようという気にもなります
少なくとも、年長者だけの飲み会のためのお金を納めるよりは‥!
もうこの問題は、片手間のアイディアや素人意見では解決できない規模のものとなりました
プロの団体でさえ町興しの失敗談は後を絶たないほどで
ましてや自営業者である商店会の平会員たちがどうにかできる範疇をはるかに超えています
私個人の意見としては、いっそのこと消滅してしまえば
後から有志たちの手でまた今までとは違った新しい形のギルドが誕生するんじゃないかな、なんて思っているのですが、ちょっと冷たすぎるでしょうか
そんなことを考えているよりも、自店をなんとか維持することで精一杯なのが正直なところ
むしろ、各自が自分の店を盛り上げることで自動的に商店街が活性化するはずなのです
まとめ
商店街だけに関わらず難しい、まちの再生事業
私が最近面白いと思った本をいくつか貼っておきますね
先に紹介したなぜ繁栄している商店街は1%しかないのかもおすすめ
結局商店は商店会のボランティア活動なんかしてないで、自身の商売で稼いでナンボ
各店がちゃんと稼ぐことで、商店街が自動的に活気が出てくるんだよね、という話を、成功した地域の具体例を元に書かれています
今回はこの辺で〜