こんにちは、ガラクタやネバーランド店主のひとみです
開業のアレコレについて始めたブログですが、ずっと実務的なことばっかり書いてても面白くないので
今日はガラクタやがオススメする
【日本の古道具屋さんを舞台にした映画&本】をご紹介します☆
できるだけネタバレしないようにあらすじと感想だけ紹介しますので、安心して読んでください〜
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【1】時代屋の女房☆映画/小説☆
松村友視が書いた小説が1892年に直木賞を受賞し、1983年に映画化
製作・配給は松竹/監督 森崎東
東京・大井にある骨董屋「時代屋」を営む安さん(やっさん)
安さんは独身。時代屋の二階に暮らす安さんのところに突然、猫と一緒に女(真弓)がやってくる
その女はふわふわと、つかみどころがない
安さんと真弓は少しずつ恋に落ちていくのですが・・・
とにかく見てください、映画版のこの豪華なキャストたちを!!
- 安さん:渡瀬恒彦
- 真弓、美郷:夏目雅子
- 若者:沖田浩之
- サンライズ・ユキちゃん:中山貴美子
- サンライズ・渡辺クン:趙方豪
- 鈴木健一:平田満
- トン吉・おかみ:藤田弓子
- トン吉・おやじ:藤木悠
- クリーニング店・今井さん:大坂志郎
- クリーニング店・奥さん:初井言榮
- 平野旅館前主人:坂野比呂志
- 平野旅館主人:名古屋章
- 菊池松江:朝丘雪路
- サンライズ・マスター:津川雅彦
渡瀬恒彦は垢抜けない古道具屋が似合いすぎるイケメン
夏目雅子はもう何も言わなくてもいいでしょう。美しいとは素晴らしいことだ。掴みどころのない女の妖艶さと、きゃっきゃと無垢な顔で笑う女の可愛らしさを絶妙に演じてくれています
この映画の真弓(夏目雅子)に恋をしない人はいない
そして今年2018年に亡くなった朝丘雪路、津川雅彦
ここ数年で日本映画界の本当に存在感のある方達が亡くなったんだな、と上の表を見ながら改めて実感しました
津川雅彦の演じる喫茶店のマスターが、この映画でいいスパイスになってるんです
私は、このサンライズのマスターが、大好き(笑)
渡瀬恒彦&夏目雅子の恋物語のバックでは、
時代屋のご近所のお店やさんご夫婦、そこのバイトの学生カップルがそれぞれ恋をしているんですが
てそれぞれが違う形の恋をして、時が経つににつれ形をまた変えていって・・
みんな「思い出の品」を取り出しては過去を掘り返したり、心にそっとしまい込んだり
骨董屋さんの話だけあって「品物」を通して描かれる人間模様が、大人の郷愁を誘います
なんだか喋り過ぎちゃいそうなので、あらすじはこの辺で
ちなみにこの「時代屋」、東京大井に実在したお店なんだそうです
この映画のことはうちのお店のお客様から教えてもらいました
お店開店から2年ほどたったある日にやって来た、50代くらいの男性
「なんかこのお店を見てね、ある映画を思い出したんだよ」
「安さんと真弓が結婚して、子供ができてさ、その娘さんがやってるお店かな、なんて一瞬思っちゃったよ」
とその男性は言ってくれました
(ということは私が夏目雅子に似てるってこと!?やっだあああああお上手なんだからッッと舞い上がりましたが、そういうことでは無いようで。私は夏目雅子なんかに似ても似つきませんもの)
それでも映画を観たあとに何度も、その言葉のありがたみを噛み締めたのでした
小説の方はお恥ずかしながらまだ読んでないので、次の年末休みの宿題として読む予定でいます
【2】ウール100パーセント☆映画☆
2005年、配給/クロックワークスの映画、監督/富永まい
これもお客さんに教えてもらった映画
ちょっとサブカルちっくな世界観で、沢山の雑貨に埋もれる家はまさしく「魔女のおうち」です
20年もの間、2人っきりで大きな屋敷で暮らしている二人の老女(吉行和子と岸田今日子)
ふたりは毎日ゴミ捨て場を見回りにいっては「お気に入り」のゴミを拾って帰ってくる
次第に屋敷はゴミだらけに。それでも2人にとっては大事な宝物たちだ
ある日、拾ってきた赤い毛糸玉と一緒に、怪しい少女が家についてくる
そのまま少女は屋敷に居座り、おばあさんたちを困らせ始める
その少女の影響か?
まるで毛糸のセーターをほどいていくみたいにくるくると、二人の思い出が甦ってくる・・・
吉行和子と岸田今日子コンビ、愛らしかったです!
このお二人の佇まいと声、大好き
こんな風に可愛く歳を重ねたいなーと思いながら観てました
「髪型や洋服も奇抜な二人とゴミ屋敷」という設定だけど、これ、ほぼうちのお店じゃん!
と思うほど、彼らのお洋服や拾ってきた雑貨たち(ゴミ)はガラクタやにあるような品ばかり
ゆえに、他人事とは思えませんでした(もしかしてこのおばあさん、私の行く末か?笑)
「もの」に住み着く「思い出」、次第に溜まってゆく「思い出」
その思い出たちは、どこへゆくのか・・・・
やっぱり古道具には「思い出」がつきものです
大人のお伽話、と言われる本作
お酒でも飲みながら一人で見てほしい作品でした
※あとで知ったのですが本作のスチールはあの蜷川実花さんが担当していました
アートワークも見所ですね♫
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【3】古道具、中野商店/川上弘美☆小説☆
潮文庫/著:川上弘美
今度は古道具屋が舞台の小説です
この本を読んだのは開業後でしたが、なんだかしっくりくる箇所が多くてふと思い出しては読み直しています
舞台は東京の小さな古道具屋
古道具屋の店主、中野さんはダメ男感漂う、不思議な人
そこでバイトとして働く「わたし」と、その同僚のタケオ、近所の高級骨董屋のマサヨさん、少し変わった常連たち
みんなどこか変てこりんで、無骨で、憎めない
まるで中野商店にあるガラクタの古道具みたい
ネタバレしない程度に、古道具屋として共感しちゃった部分を抜粋させてください
「古道具屋は、きれいに掃除し過ぎても、汚な過ぎてもいけない。ちょうどいいのが、難しいんだよなあ」
そうなんです、これこれ!本当に私も毎日そう思っているんです
古道具特有の匂いや、ほんの少しのカビ臭さが「雰囲気」の一部になってくれているのは確かで
でも「汚い」になってはいけない
その線引きというか、ギリギリのラインというのが結構難しい
私自身ハウスダストアレルギーなこともあって、できるだけ綺麗な空気は保ちたい
そんなお掃除に関する「古道具屋あるある」でした(笑)
この本は、もう何度も読んでます
なぜなら古道具屋の描写がすっっっごく秀逸で「これ隣の駅にある古道具屋のリアルな話っすよ」と言われたら「やっぱりねー」と言ってしまいそうなほど
それから
「古道具(ガラクタ)と、人って、どこか似てるんだよな」
と私がずっと思っていたことを言葉に・物語にして表現してくれている点
忙しい時でも、ちょっと疲れている時でも、心に重くないサクッとした作品ですので、是非どうぞ
【4】きつねのはなし/森見登美彦☆小説☆
出ました、骨董屋が出て来そうな雰囲気プンプンの森見先生作品!!!
京都 古い街並み 古風な貧乏学生 と来たら古道具屋が出てこないはずがありません(偏見?)
森見作品の中でも、特に古道具屋の話といえばこの「きつねのはなし」
4編の短編でできています(その4編がどこか世界のはじっこで繋がっているような、いないような)
アニメ化された「夜は短し歩けよ乙女」などの軽快な作品とは全く毛色の違う「ホラー」です
古道具屋のおやじ=怪しい
のイメージと京都の街並み描写が合うこと、合うこと!
古道具屋をやっていると、本当に不思議な出来事に出くわします
同じ空間にいて、人間の様々な感情や思い出を見てきた「もの」
いつの間にかそんな人間の「心の中にあるエネルギーのようなもの(良いものも悪いものも)」を吸収しているのかもしれません
このブログでも、お店で起きる不思議な出来事をちょっとずつ記事にしています
私のブログの方はまだ1話だけですが、小出しにして書いていきますので是非読んでもらえたら嬉しいです
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【5】嘘八百☆映画☆
2018年に公開されたばかりの「骨董コメディー」
監督は2016年日本アカデミー賞優秀作品賞・最優秀脚本賞を受賞した『百円の恋』の武正晴
中井貴一と佐々木蔵之介のダブル主演に
脇を固めるのは友近、森川葵、前野朋哉、堀内敬子、坂田利夫、木下ほうか、塚地武雅、桂雀々、寺田農、芦屋小雁、近藤正臣ら、超豪華個性派俳優陣
それにしても中井貴一さん、古物商っぽい胡散臭さが、いい!(笑)
そして私の愛する佐々木蔵之介♪(´ε` )
骨董のうんちくも散りばめながら、繰り広げられるのはドタバタ劇でした
骨董、古道具の欲深き「あこぎ」な世界を笑いに変えてくれた作品は、これくらいじゃないでしょうか!
舞台が「大阪、堺」というのもコメディーになる要素として大きかったのかもしれません
一攫千金を目指してついた小さな嘘が、どんどん周りを巻き込んでいきます
今まで紹介して来た4つの作品が「ものに宿った想い」みたいなものをテーマにした作品だっただけに
なかなか無いです、骨董屋コメディー
気楽な気持ちで楽しめる作品ですので、「お宝鑑定団」を家族で見るような感覚で楽しんでください♫
まとめ
どうでしたでしょうか!?
ガラクタや店主が選ぶ、古道具屋が舞台の作品
今後も「出てくるインテリアや雑貨が良すぎる映画」とか「主人公の部屋の雰囲気が良すぎる映画」など
新しい切り口でまとめてみたら楽しいかも、と思っています( ◠‿◠ )